第5章 理事長と対面
雪が「はい。」と頷けば零も立ち上がり玄関に向かって歩いていく。
智明と悠が続くのを確認して雪も後を追う。
「朝は本当にごめんなさい。寝坊したあげく、あの格好でお恥ずかしいばかりです・・・。」
「気にしないで、雪。布団を剥がしたのはコッチだし。むしろお礼を言いたいぐらい。」
「え、お礼?」
「あ、いや。何でもない。はは。」
よく分からないが気にしてなさそうなので智明に合わせて微笑んでおく。
「先輩っていつもあの格好で寝てるんですか?」
「ううん、そんなことないよ。」
「へえ、ビックリしたっす!けどすごく綺麗だったです。」
「ぁ、ありがと・・・。」
ストレートな感想に恥ずかしくなり俯き赤くなった顔を隠した。
一番を前を歩く零は会話を聞きながら厳しい目をしていたことには誰も気づかなかった。
徒歩移動かと思ったが学園内には所謂テレポート装置が設置されており目的地の近くまですぐ移動できるらしい。
装置は円柱で6人ほどが乗れそうだった。
「雪は先に入って。」
と促され奥の隅っこに立つ。
最後に入った零が操作盤を押したら体から重力が消えた感覚になった。