第4章 立場と強さ
自然と今日のことがぐるぐると頭の中をさまよう。
別れを告げないまま怜音と離れてしまったことが気がかりで仕方ない。
忘れて、までは言わないがどうか気にしないで欲しい。
何とかジーノでも生きていけそうだから。
フィールに説明も受けずに来た時は困ったがきちんと智明の元に運んでくれて助かった。
ジーノでの自分の存在が異質ということには驚いたが慣れればきっと大丈夫。
自分のことよりも零のほうが心配。
彼の立場上、私は受け入れがたい存在に感じた。
最後の最後まで私を信頼しない冷たい目。
ラーチアが絡んでいるから一歩下がっているが彼から私に対する嫌悪感がありありと感じられる。
一日も早く慣れなければ。
地球にはもう帰れないだろうから。
きっと私はまだ浅はかだった。
ラーチアという立場の重さも自身のレガンスも理解できてなかっただなんて。