第4章 立場と強さ
智明は雪を連れて2階へと上がる。
「葵って誰ですか?」
「雪と同い年の男の子だよ。最近帰ってこない困った奴だよ。」
「勝手に使っても大丈夫?」
「平気平気。」
軽く笑いながら手前から3つ目の部屋を開ける。
しばらく使ってないのか生活感があまりない部屋だった。
「シーツこのままでいいかな?多分使ってないから。」
「気にしないです。」
「シャワーは付いてるから使って。また明日起こしにくるから。おやすみなさい。」
「おやすみなさい。」
智明が扉を閉めると雪は早速シャワーを浴びる。
すべてが地球と同じ様な作りなのに此処が別世界なんて不思議だ。
シャワーを終えると雪は下着姿にキャミソールだけつける。
着てきた制服に皺をつけないためだ。
明日智明が起こしに来る前に起きて着れば大丈夫だよね。
特にやることもないのでベッドに転がり瞼を閉じる。