第4章 立場と強さ
零は画面から目線を雪に移す。
雪も智明の目線を追って自然と零と目が合った。
やはり彼の目は私を芳しく思ってないようで他の人より冷酷に私を見る。
でも彼からは目を逸らしたくない。
「これはラーチアがお前に与えた力か?」
「分かりません。」
「はぁ。ともかく随時父さんに報告する。この結果を踏まえた上で明日の明朝これからの君の立場を決める。」
零は最後に画面を見て部屋を出て行く。
「智明、話がある。」
「あぁ。俺も聞きたいことがある。」
智明も零を追う。
出る間際振り返り雪に手招きする。
「明日も早いし今日は休もう。」
「ぁ、ちょっと待ってください、智明先輩。」
「?」
「雪先輩どこで寝るんすか?」
「どこって、俺の部屋だけど?」
事の成り行きを傍観していた悠が咄嗟に声をかける。
「ずりー!智明先輩はどこで寝るンです?」
一瞬智明はキョトンとした顔になったが、すぐに口角を上げ近くに寄った雪を引き寄せる。
「っ智明・・・?」
「どこって自分の部屋に決まってんじゃン。」
「なっ!?」