第4章 立場と強さ
一人理解していない雪を見て、智明が雪の目の前に行く。
それに気づいた雪は顔を上げ智明を見上げる。
雪の瞳には良くない結果が出たのではという不安で揺らめいていた。
「雪、まず大前提としてレガンスを体に宿せるのは一つの系統だけなんだ。俺なら戦闘型。美鈴さんなら技術型っといた風にね。
けど雪からは4つの系統レガンスがあるから前代未聞なんだ。」
「それって、何か大変なことなんですか?」
「ん、大変・・・なのかな。」
智明はチラリと零を見る。
智明は雪がラーチアである事実を知っているから許容範囲である。
しかし事実を知らない者から見れば過去のラーチアでさえ4つの系統を持たなかったのだ。
記憶のない、ラーチアの加護を受けた、女が秘めた力を有しているとはどう映るのだろうか。