第4章 立場と強さ
そこからは酷かった。
雪を自分の土地にも来させろだの、独り占めするなら協力体制を結び雪をさらいに行くだの。
脅迫じみた意見が出てきた所で昴は白旗を上げ零は痛む頭を押さえながら思考を巡らせる。
どうしてこうなった。
やはりラーチアが関わってくると條家は黙ってないものなのか・・・。
「っわかりました。彼女がジーノに慣れた頃合で挨拶させに行かせます。」
《絶対だよ?》
「はい。ただし必ず同行者をつけます。」
《何?疑ってるの?ちゃんとしばらくは西條に返すって。》
「立場的に信じることはできない。」
スパっと言い切った零にまたもや批難の声が飛ぶが、話はまとまった。
雪が慣れるまでは手を出さない。
《こっちも条件。ちゃんと報告してね。》
情報の公開。
そして雪が慣れてからの土地めぐり。
当初の予定とは大幅に変わった内容に妥協さぜるえない。
いつものように「OK」で済まされるはずだったのに。