第4章 立場と強さ
「まず本日一人、外部の者を我が学園内で補足対象を確認いたしました。
対象はこちらの攻撃に見えざるレガンスで対抗のち逃走し降参しました。
その際対象に対し違和感を感じた当校生徒が対象を拉致のち聴取しました所、対象はラーチアの加護を受けたものでラーチアの御心によって現れたと証言しました。
名は木下雪。青い瞳を持つ女です。」
わざと大事なことを後半に話したのは話を遮られないようにするためである。
案の定画面越しからは一気に声が上がったが一斉で聞き取れない。
「まあまあ、みなさん。重要な話だと仰ったではありませんか。軽い気持ちで聞いていたのですか?冷静になってくださいよ。」
昴が声をかけると一先ずは静かになった。
昴の言う事は正しいが彼に言われると癇に障るのは零を含め画面越し全員が思っただろう。
我が父ながら損な性格しているな、と少し不憫に思った。
「それで彼女に対する処遇を決めたいと思います。これは父、昴のほうから。」
「うむ。西の地に降り立ったのも何かの運命かもしれん。しばらくは西條家で監視しようと思う。」
妥当な判断だ。
下手に行動しないで、まずは現状を見極めることが最優先だ。