第4章 立場と強さ
普段は人が集まるため机が多く置かれているのに今日に限っては真ん中にポツンとあるだけで使用人の計らいに眉間を押さえる。
防音の部屋がこの屋敷に一つしかないから仕方ないが本来ならこんな広い部屋でなくてもよかったのだ。
中で準備していた使用人が全員退席したのを確認して昴は真ん中の机にあるスチールケースを開ける。
中から5つのモニター画面が出てきて誰と繋がっているか簡潔に表示されている。
“東”“北”“南”“中”そして“西”
各エリアの代表が今同じようにこの画面の向こうにいるのだろう。
もっとも、画面の向こうに何人控えているのかは分からないのでどれだけの人数に情報が渡るかはわからない。
それでも、画面越しにする理由としては抗争を避けるためだった。
敵を目の前に悠長に会議なんて出来るわけないと過去に何度も立証済みだ。
「遅れてすまない。急な会議に参加してくれてまずは礼を言おう。」
まずは昴が意気揚々と声をかける。
話すのが自分(の息子)だからと上から目線になるのも仕方ないだろ。
が、條家のトップを前に納得されるわけもなく・・・。