第4章 立場と強さ
一方零は自分の父、西條家当主・西條昴(スバル)と歩いていた。
ここは学園ではなく西條家の屋敷の一つだ。
「零、本当なんだろうな。」
何回目の問いか数えるのが馬鹿らしくなるほど聞いた質問に零はため息をこらえる。
「本当です。ラーチアではないみたいですが、ラーチアに深く関わりのある者ですってば。」
「そうか・・・。そうなのか。」
ラーチアではない、と何度も念を押すのだが昴の興奮は収まらない。
無理もない。
前ラーチアがしたことが未だ解決されていないのだから。
「零、本当にラーチアが関係しているのだな?」
「父さん、もう着いたから。会議室。」
「ん?あぁ。」
ピッと昴は服の筋を伸ばすと会議室へ入っていく。
画面越しだから見られないのに、と零は溜まっていた息を吐き出した。
加えて会議のプレゼンターは零であって昴ではない。
何気合いれてんだが・・・。
呆れつつどう話そうか思案しながら零も会議室へ足を踏み入れた。