第4章 立場と強さ
なんとかラーチアの使いっということで信じてもらえたようだ。
ホッと胸を下ろしたくなるが、まだ気が抜けない。
雪は再び気持ちを整え零に声をかけた。
「信じてもらえたのなら非礼など良いのです。私が記憶を思い出せず混乱させてしまいましたから。」
「痛み入ります。」
これからどうしようと智明を見れば任せてと口パクで言い、雪の斜め前に立った。
「零、俺は雪をここに通わせるべきだと思う。」
「・・・。」
「記憶がない以上ほっとけないし、零も目を離したくはないだろう?それに授業で知恵をつければ何か思い出すかもしれない。」
「俺一人の判断では決められない。緊急で明日までには理事長をはじめ、條家にも通達し判断しよう。」
「え。條家にも伝えるのかい?」
「?当然だろう。ラーチア様の加護を受けた使いがいらしたことを隠す必要もないだろう。」
「…あぁ、そうだね。」
零は当然の判断をしたが、智明から見ればしばらくは雪にひっそり暮らしてもらいジーノに慣れてほしかった。
「今日は中央区のホテルに泊めるとしよう。」
「いやいや、記憶ないなら一人にするのは危険だよ。うちに泊めよう。」
「は!?」
「いいじゃん!」
怪訝な顔をする零にずっと後ろに控えていた少年が賛同の声をあげながら会話に参加した。