第4章 立場と強さ
零はグッと拳を握りしめ、静寂を破った。
「・・・証拠は?」
「え?」
「きっとラーチア様は君が疑われないよう証拠となるものを託されたはずだ。見せてもらおう。」
ドクンっと心臓が嫌な音をたてた。
彼に自分がラーチア(の使い)ということを証明するための証拠・・・。
頭の中で先ほどの智明との会話がぐるぐるとリピートされる。
##FC.gray##「ラーチアの証拠は3つ。青い瞳、金の髪、白い翼。」
「レガンスを使ったとき君の瞳、青だった。」##FE##
レガンスを発動させ彼に青い瞳を見せる。
智明を横目で見れば今が青い瞳を利用できる最大のチャンスだというように大きく頷かれた。
雪も頷き返しはしたが、どうやってレガンスを使うのかわからなかった。
さっきは無我夢中で気がついたら出来てたのだ。
大きく息を吸いだす。
ようは感覚の問題のはず。
さっきみたいに無我夢中でやればできるはず。
目を閉じて頭の中で先ほどの光景を何度もリピートしてみる。
しかし目をつぶってわかるほど教室内の視線が自分に突き刺さる。
成功させねば、という思いが雪の集中力を乱してしまう。