• テキストサイズ

LEGANCE

第4章 立場と強さ





ここからが勝負だ。



「正直に申しますと、ラーチアから何を託されたのかも覚えてません。」



視界の端で智明が僅かに動揺したのがわかった。



「けれど必ず思い出してみせます。なので此処においていただけませんか?」

「…っ。できるわけ、ないだろう。」



雪があえて素直に告白したことで零も少なからず動揺した。



「私は必ずラーチアと同じようにジーノを動かすことになるでしょう。」

「だから、」

「西條様、お待ちください。」



後ろで事態を見守っていた女が零の一歩後ろまで進み声をかけた。



「美鈴さん。」

「彼女の言っていることがもし本当なら受け入れなければ。」

「っ・・・。」



美鈴という女性は冷静な意見を伝えると一礼し、最初の立ち居地に戻った。


あくまでもこの状況判断は零に任せる、というわけだ。



僅かな沈黙が少しの間教室を包む。



/ 68ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp