第3章 GINOとLEGANCE
「築き固まれ『光壁(コウヘキ)』
智明は扉の上から下まで手をスライドさせる。
扉に薄く膜が張られた。
「西條が居場所を特定し始めてる。」
「え!どうしてわかるんですか?」
「通った道にセンサーを張っておいたんだ。今扉を頑丈にしといた。」
智明は後ろの扉にも同じようにレガンスを張っていく。
「それで、俺とフィールにだったね。内容を詳しく話すわけにはいかないけど・・・。俺とフィールは意識をリンクしているんだ。」
「リンク?」
「砕けて言うとフィールはいつでも俺の体を奪えるってことかな。フィールが俺の体を使っているときは俺は眠っているみたいな感覚になる。」
「え!?何それ・・・。」
「だから俺は君の事を知っていたし、フィールから君を頼まれたってこと。今は君を迎えにいってフィールの意識が感じられないから会わせてあげられないけど、また彼を頼りたいときは俺の元に来て。」
「体を奪われるなんて、嫌じゃないんですか?」
「嫌じゃないって言ったら嘘になるけど、後悔はしてないよ。それに・・・。」
君に会えて、頼ってもらえるんだから。
「・・・なんですか?」
「いや、なんでも。」
智明は自分で思っておきながら少し赤面し雪から顔を背けた。