第3章 GINOとLEGANCE
「この條家が狙うのは各エリアの制圧及びラーチアの遺品回収。手段はただ一つ。レガンスによる戦闘のみ。」
雪は物騒なワードに眉をしかめた。
「ラーチアの遺品、というのは?」
「後ほど説明するよ。自身のレガンスは認識できた?」
「いえ。何かが起きている程度しか…。」
智明は軽く頷くと4つの光をだした。
「レガンスは個々の魂の力だ。戦闘、補助、技術、回復の4タイプに分類されている。見たところ君のレガンスは風や空気に関係しているみたいだね。」
キラキラと輝く光を指しながら智明は説明する。
「私は戦闘型ってことですか?」
「うん。そうなるね。俺も戦闘型だよ。光のレガンスの。」
智明は苦笑しながら光を消した。
「さ、次の説明は君の役割と今後について。」
「私の役割?」
「そう。フィールが君を連れ戻したからには知ってもらわなければならない。」
考えてもみなかったが、確かにわざわざ連れ戻したってことには理由があるか。
雪は少し緊張し体を固くした。
「まず、さっきのラーチアの遺品について。ジールに降り立った4人の神使いをラーチアと呼ぶんだ。そのラーチアの遺品を集めることで土地との適合能力を得ることができるって言われている。」
「土地との適合能力っていうのは?」
「詳しく判明していないけど、一説によると各エリアの空気巡回は異なっていて外部のエリアは持てる力の半分ほどしか発揮できなくなるらしい。遺品があればエリア関係なく実力を発揮できるから條家が求めるってこと。」
なるほど。
人と土地との結びつきを強くするってわけね。