第1章 私と幼馴染
私は親を知らずに生きてきた。
気がづいた時には施設でご飯を食べていた。
ある日優しい木下家が施設から拾ってくれた。
木下家はたくさんの教育をさせてくれた。
おかげで今は名門私立高校に幼馴染と肩を並べ通学できている。
一日の講習も終わり、クラスメイトと別れの挨拶を交わし廊下に出る。
いつものように幼馴染の生田怜音(イクタレオン)は雪を廊下で待っていた。
「お待たいたしました、怜音さん。」
ニッコリと近寄れば呆れた顔を向けられた。
「待ってないし。て、言うかその丁寧な言い回しやめろって言っただろ。雪に合わない。」
「あはは。わかってます~。お待たせ、怜音!」
「ん、帰るか。」
長年隣を歩いてたせいか、怜音と私の歩く速度は一緒だ。
雪はそれが嬉しかった。
多くの生徒は送迎で通学しているが雪と怜音は歩いて通学をしていた。
雪もお嬢様と家では呼ばれるぐらいなので送迎車も用意してあるのだが、怜音の家は裕福な一般家庭なだけなので自力で通学している。
雪は怜音と通学したいので合わせていた。