第3章 GINOとLEGANCE
雪の手筋から空気が震え風が巻き起こった。
「!!?」
離れたところで見ていた男たちは僅かに目を見開いた。
しかし、1番驚愕していたのは雪自身だった。
風は自分を覆っていた地面を崩し西の方角へ一直線に抜けて行く。
雪は逃げなければと本能的に直感し、風を辿って走り出す。
もちろん男たちも見過ごすはずはなく、警戒の色を強めて後を追う。
雪はチラッと後ろを振り返りながらベスト策を考える。
結果、雪は立ち止まり両手を上げた。
知らない土地で逃げるのはダメだ。
やらしい気持ちがあるわけでもないから、ここは逆に助けてもらえるようお願いすべき。
見たところ彼らも自分と同じ年頃なのだから滅多なことにはならないはず。
雪はゴクリと唾を飲み込み彼らを見据えす。