第2章 フィールと契約
「雪、これで契約は終わり。次の瞬間にはジーノに飛ぶことになる。」
「飛んだらどうすればいい?」
「俺はジーノの世界に直接関われない。だから側で教えてやることは出来ない。代わりに、俺のことを知り君が来たらサポートする男がいる。」
「わかった。その人に会えばいいのね。」
「あぁ。ジーノのことやレガンスのことは彼から教えてもらえるはずだ。」
フィールはまだ少し血が出てる雪の手を取ると、傷をそっとなぞった。
すぐに傷が消え、フィールは手を離した。
「ありがとう、フィール。また会えるのよね?」
「当たり前。俺たちは契約で結ばれてるからね。」
フィールが空間に手をかざすと、空間は霧のようになり晴れていく。
「視界が開けたらジーノだ。雪、おかえりなさい。」
「・・・ただいま、フィール。」
二人が目を合わせて笑うと、フィールは霧に紛れて見えなくなった。
何が起こるか分からない未知の世界に雪は足を踏み入れた。