• テキストサイズ

LEGANCE

第2章 フィールと契約




雪は気まずそうなフィールを不思議そうに見返す。



フィールは少し間を開けて口を開いた。



「俺が雪に与えるのは力・愛・証の3つ。これは元々雪のだったから返すって言った方がいいのかな。」

「私は何を差し出すの?」

「君自身だよ。」

「え・・・?」



私、自身?


そもそも返すものなら契約なんていらないんじゃないのかな。


でも意味がある契約なんだろうな。



雪は目線で続きを促す。



「君が亡くなった時でいいんだ。死後から先、俺の…もとに来て欲しい。」

「死後、から先。」



雪はゴクリと唾を飲んだ。



これから先の未来は全く想像出来ない。


死後の世界というものにも想像が働かない。




けれど、これは…。




「契約するしか先に進めないのでしょう?だったら、契約します。私、木下雪の死後はあなたのものです。」




悩んだって今解決できない。


死んでから今の私が軽率だったと思ってもそれは済んだこと。



フィールはあっさり契約する雪に目を丸くしたが、心底嬉しそうに笑った。




「ありがとう、雪。」




/ 68ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp