第7章 幼馴染と同郷組 by,幼馴染
待機させている門へ行く道中ずっとエレンに訓練兵団の事を聞かれた。
どんな事をするのかとか、立体機動装置の使い方とか。同期の雰囲気とか。
そして、同期で何人調査兵団に入ったのか。
エレン「なぁなぁ、同期で調査兵団に入ったのってどんな人達だったんだ?」
アイト「俺は・・・最初から憲兵団に行くつもりだったから分からない。ただ、言える事はある」
エレン「言える事?」
アイト「あぁ。主席で憲兵団に入って毎日を過ごす兵士より、10位外でも調査兵団に入って人類に貢献してる兵士の方が兵士としても人間としても優秀だって事だよ」
アイトの考えを否定する気はない。
が、成人にも満たない子供が生きられるかも分からない場所に自ら進むのは並大抵の事じゃない。
生きたいなら駐屯兵団に行けばいい。
それでも調査兵団に行ったという事は良い意味で本物の馬鹿だ。
エレン「憲兵団と調査兵団って仲悪いって聞いてたけど、アイトみたいに憲兵でも調査兵団を凄いっていうヤツいるのか」
アイト「稀だけどな」
門に着き、駐屯兵団の兵士と数台の荷馬車が待機する先頭に
は長身で黒の長い髪を一本結びしているチェスに滅法弱い兵士・・・いや、部下が其処にいた。部下は俺に気付くとヒラヒラと手を振って呼んだ。
ゲルハルト「よぉアイト。視察就任おめでとう。これ、お祝いの品」
ゲルハルトは何時もの飄々とした態度を取りながら親指を立てて荷馬車を指さした。
ゲルハルト「後、これはお前の嫁からの祝辞」
アイト「あぁ、ありがとう。まだ二日なのにもう寂しいのかな」
祝辞と銘打ってゲルハルトから渡された封筒の中を見ると、中には二枚の紙が入っていた。
一枚は素直に手紙。元気でやってる? 浮気したら許さないから! 等新婚早々単身赴任する事になった旦那へでも宛てたかのような手紙の内容。アイリスより。
二枚目はトロスト区を拠点にしている商会の一覧。
商会名、商会長名、商会員数、資産、住所、それから今朝方早馬で行かせた手紙で欲しいと思っていた内容が書かれていた。
まだ着いていないだろうから彼には悪いが無駄足になってしまった。
どうやらアイリスには俺が必要とするであろう情報が何となく分かっていた様だ。