第7章 幼馴染と同郷組 by,幼馴染
「…………」
しまった。つい前の事を思い出して言い過ぎた。
驚いた様子でこちらを見る少年達。そして難民達。
アイト「…すまん。だが、兵士が死ぬのは市民を護る為。無駄死にだけはしちゃいけないんだ。駐屯兵でも憲兵でもそれは一緒だ。兵士が一番怖いのは『意味の無い死』なんだよ」
「…………」
少年は黙っていた。
おかしな話かもしれない。俺は人を殺しているんだ。
どんな理由であれ人を殺している俺が命を大切にしろだなんて…。本当におかしな話だよ。
お互いが黙っていると少年の横に居た黒髪の女の子が彼に言葉を投げる。
「今のは貴方も悪い。謝ってエレン」
エレン「…悪かった。…死ねなんて言って」
エレンの言葉を聞き、こちらも少し安心した。
アイト「いや…。だけど堕落している馬鹿連中もいるのもまた事実だ。俺はそんな連中を変えていく。その為に憲兵になっているいんだ。目的は違えど、そこに居る理由がある。だから死ねないんだ」
エレン「……分かった」
何とも言えない顔をしている。
周りの難民達も俺の言葉に半信半疑と言った所だ。
憲兵団を変える。本当に出来るのか?
そんな表情が手にとって見える。
出来るとか出来ないとかそんなんじゃない。
やるんだよ。
アイト「…今後開拓民として開拓地に行くまでは避難所生活だ。それまで目に焼き付けるといい。…訓練兵団にはいつ入るんだ?」
エレン「2年後に12歳になる。その時に」
2年後。こちらに来てから2年というワードが良く出る。
アイト「二人も入るのか? えっと…」
エレン「こっちはミカサ。で、こっちの金髪の方はアルミンだ」
アイト「そうかヨロシク。ミカサ、アルミン」
二人は黙って頭を下げる。
エレン「3人で訓練兵団に入る。その予定だ」
アイト「そうか…。強い意志があればきっと大丈夫だ。頑張れよ。エレン
………エレン?」
あれ、今まで当たり前の様に名前言ってたけど…。
アイト「もしかして…エレン・イェーガー?」