第7章 幼馴染と同郷組 by,幼馴染
彼の俺を見る目はただ睨んでいるんじゃない。
これは完全に敵意を剥き出しにした目だ。
調査兵団…か、
アイト「そうだな…。確かに俺達は内地に逃げた臆病者かもしれない。でもな、それは人間の心理では当然じゃないか? 死にたくない。そう思うのは誰でも一緒だ。彼等はそう思ったから内地に逃げたんだろ」
「じゃあ、あんたはどうなんだよ! 俺達の町が巨人に襲われている時にお前等憲兵は何してたんだよ。避難して来た俺達にもっと減ればよかったと言ったのはお前達憲兵だろ!!」
そんな事言ったヤツがいたのか…。大方食料が減るからとかそんな理由だろう。
アイト「そういうヤツがいたのか…、本当にすまない」
「何もしないで踏ん反り返っている…お前等憲兵こそ死ねば良かったんだ!!」
アイト「……っ!」
――――――何でアイツが死ななかったんだろうな。
――――――隼人の方こそ死ねば良かったんだよ。
――――――何でも出来るからって調子のりやがって。死ねよ。
――――――はいはい、お坊ちゃんな隼人君はいなくていいんだよ
――――――なんでいるの? いても一緒だよ。
――――――怖い怖い。一緒に居たら今度は俺達が死ぬぞ。
アイト「……おい」
嫌なこと思い出せやがって…。
アイト「じゃあお前は生きたいと願う人間に死ねと言うんだな」
生きようとして何が悪い。
アイト「必死になって生きたい生きたい…そう思っているヤツにお前は死ねというんだな」
生きたいと願って何が悪い。
アイト「テメェに俺の生き方を言う権限があるのか?」
そんなに俺が生きているのが嫌か?
アイト「テメェは人に言われて死ねるのか?」
死んだ奴等は生きたいと必死だったんだよ。
アイト「誰かの犠牲があって生きられているのにすぐ死ねと言うんだな」
生かされた俺達が簡単に投げ捨ててどうする。
アイト「自分の命も他人の命も無駄にしようとするな。生きたいと必死なヤツに死ねとか軽々しく言うんじゃねぇよ…!」