第7章 幼馴染と同郷組 by,幼馴染
広場に出た時、無意識に俺は昨日の3人の子供達を沢山の難民でごった返す中を探していた。
何だろう。昨日の迷子といい帰る前といい、金髪で整った顔たちをしていたあの子の顔がどうも頭から離れない。
だが俺はロリコンではない。
それは先に言っておく。
「アイトさん。我々は先に行ってますよ」
人々の中で誰かを探していた様子の俺を悟ってか。設営に向かう兵士の一人が声を掛けた。
アイト「あぁ。悪いけど頼む。こっちも要件済ませたら直ぐ行く。荷馬車の運転手に『アイト・レオンハルトの使いで来た』って言えば直ぐ分かるはずだから」
「分かりました」
兵士が門の方へ向かうのを見終え、改めてあの子を探し始めた。目に映るのは難民、難民。
住処を失くし、途方に暮れる者。
友達、親兄弟、愛する人を失くし絶望した表情の者。
そんな重い空気が1ヶ月経ってもこの避難所からは払拭できないでいる。
違う。出来る訳がない。
俺は馬鹿だ。内地の巨人を見た事が無いという奴等と一緒じゃないか…。
…俺等に出来る事。本当に任務だけで内政は回復するのか?
「なぁ…」
人々が集まる避難所の広場で立ち尽くしていると、急に背後から声を投げ掛けられた。
振り返ると、子供が3人。昨日の3人でも遊んだ子供でもない。
アイト「どうした?」
声を掛けたのは真ん中に居る黒髪の男の子の様だ。
ちょっと目付きが鋭い彼の視線に合わせて腰を落とすと、男の子は俺の目を睨み続けて言った。
「希望すれば子供でも訓練兵団の避難所にいけるんだよな」
彼の目付き…。昨日見たあの女の子に似ているものがある。何か強い目的をもったそんな目だ。
アイト「あぁ。なんだ? 訓練兵団入って俺みたいに憲兵に―――」
「ふざけるな!」
俺みたいに憲兵になるのか? 俺の言葉を待たず彼は怒鳴った。
俺も、周りの難民も静まり返り、男の子達を凝視していた。
「お前等みたいな…お前等みたいな敗北主義者になんか絶対にならない。俺は調査兵団に入って巨人を一匹残らず……」
握り締められた拳。震える身体。目的……彼の持つ目的がなんとなく分かった。
復讐、か。