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明晰夢【進撃の巨人】

第7章 幼馴染と同郷組 by,幼馴染


辞めよう。今更彼を疑った所でどうにもならない。

おかしな真似をするならともかく彼は今回の任務も全力で取り組んでいる。

土台作りとして難民たちの事も気に掛けている。

そう、別に仕事をする上では何も問題はないんだ。

でも何なんだろう。

どうして私は彼を否定したがっているんだろう…。

見た目も性格も殆どアイトなのに…。ちょっと前より空気が軽くなったけど。

なのに私は今のアイトを何かしら理由を付けて否定しようとする。

駄目だ。心の中がぐちゃぐちゃになってきた。

頭がパンクしそう。

体も髪ももう洗っているし、もうちょっとしたら上がろう。


訓練兵団の時アイトは周りとは殆ど接したがらなかった。

そこに空気を読まないウェンが行くものだから私も着いて行って…。

そう言えば、このポニーテールってアイトが薦めてくれたんだっけ。

人と目を合わせるのが苦手で顔を隠すように前髪伸ばしてたら急に搔き分けられて結ばれたんだった。

顔出してる方が可愛いよなんて真顔で言って…。

デリカシーの無さはアイトも隼人も変わんないや…。

何だかんだ言いながらも私達3人はよく一緒に居た。

アイトも徐々にだけど色々話してくれて。結局何処から来たのかは教えてくれなかったっけ。

卒業の時に3人で憲兵団に入って変えようと約束して…。

先月会った時、アイトは人が変わっていた。

見た目や性格は変わっていなかった。

でも、

何時も、

悲しい目をしていた。


隼人もアイトの過去は知らないみたいだし…。

でも、これで良かったのかも。

隼人が来てからはそんな目してなかった。

きっと隼人に悲しい事がないからかもしれない。

でも、それでも私は嬉しかった。

アイトの悲しそうにしている目を見る事が無くなってくれて。


本音…? これ…本音?

あれ、やっぱりだ。

嬉しい筈なのに、でも何だか認めたくない。

どうしたんだろう、私。
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