第6章 幼馴染と同郷組 by,同郷組
駐屯兵たちの憐れんだ目線を頂きながら俺達は避難所を後にした。
アイト「なんつーかさ…」
リック「……なに」
アイト「リックって保母さんとか似合いそうだよなっ!?」
言い切る前に真横から切れ味の良いハイキックが飛んできた。
身長差があるだけにリックの蹴りは丁度俺の首に当たる。
マジ止めて。さっきは死ぬかと思った。
そして本人も『お姉ちゃん』と思われていなかった事にかなりのショックを受けているようだった。
アイト「気にすんな。アイトはリックの事をちゃんと理解してるんだろ。なら気にすんなよ」
リック「………善処する」
リックを慰めながら避難所を後にしようとした時、民衆や駐屯兵のの視線とは違う何かを感じて足を止めた。
一番人の多い避難所の広場を抜け、店によっては閉店作業を始めている噴水のある中央広場との道の丁度真ん中辺りで足を止めて振り返った。
避難所の広場からジッとこちらを見つめる視線。三人の視線。
一人はやや細身で三人の中では一番背の高い男の子。
一人は子供の割りにやや体格のしっかりした男の子。
そしてもう一人はさっき迷子だった金髪を後ろで結った小柄な女の子。
三人が並んでこちらを見ている。ただただジッと黙って見つめている。
またか…。今日このシーン多いな。
気にはなったが、今後どうせ避難所に行く機会があるかもしれない。
リックとも話したが、避難民によってはそのまま開拓民…即ち生産者になるものも居るみたいだから、任務の生産率向上に当てはまるものがある。
此処で避難民と上手く和解できればそれはそのまま士気に繋がるかも知れない。そんな淡い期待でもあった。
支部に帰って好都合な事に支部長と食事をする事が出来た。
そこで、避難所の指揮官が不在だった事に関して話をするとややばつが悪そうな表情をしつつ答えてくれた。
支部長「指揮官なのですが…実は配置していない訳ではないのです。ただ、先日からその者が体調が優れないという事で現在不在だったので…」
ダウト。
俺とリックの中で言い放った答えだ。
そう、元々指揮官なんて存在していなかったのだ。
俺が訓練兵団に行っている間にリックが避難所の駐屯兵から聞きだしてくれていた。
指揮官は一ヶ月前から体調不良で不在だと。