第6章 幼馴染と同郷組 by,同郷組
そこにある木を見上げて跳ねたり棒を伸ばしたりしている。
アイト「どした?」
後ろから声を掛けられ、ビクリと肩を竦ませる子供たち。
いや、それだけじゃないか。憲兵がいるというのが余計に脅える対象になっているのだろう。
近づいて子供たちの見上げていた木を見ると、木の枝にボールが引っ掛かっていた。
アイト「…よし」
憲兵団の紋章が入ったジャケットを脱ぎ、リックに渡して俺はスイスイと木を登る。
都会っ子だからと言って木登りが出来ないわけじゃないんだぞ?
引っ掛かっているボールを取り、元来た道を戻って子供達に渡した。
「あ、ありがとうございます…」
戸惑いながらもお礼を述べ、子供達は元していた遊びに戻っていった。
あ、野球ですか。
リック「お疲れ様」
リックが両手に持ったジャケットを差し出しながら微かに微笑んだ。
その何処か儚げな笑みは何処か困惑しているものが見える。
アイト「俺がアイトだったらもっと素直に笑えるのかもしれないのにな…」
リック「…ごめん」
気にさせたかな。
アイト「むしろ謝るのはこっちなんだけど…」
…隼人にこんな事言われても困るかもしれないが、お互いの為、踏み切るか。
アイト「俺さ、この世界の事殆ど詳しくないからさ。リックが居てくれないと困るんだ」
リック「…え」
アイト「この世界の住人じゃない…。この事を知っているリックにしか俺は助けを求めることが出来ないんだ」
向き合っていたリックは呆気に取られた顔を見せたが気にせず、その小さな小柄な体格の肩を両手で握り締め、彼女と同じ視線に腰を落として更に言葉を続ける。
アイト「だから、我侭かもしれないけどリック…。俺の傍にいてくれないか」
握り締めた手を通じて震えているのが分かる。この子が随分と恥かしがり屋なのはもう知っている。
現に今も俺と向き合って顔を紅潮させていっている。
好きな人にこんな事言われたら当然の反応だろう。
中身が隼人で本当にすいません。