第6章 幼馴染と同郷組 by,同郷組
リック「そう………。遺言はそれだけ?」
もう本当に助けてください。
結局分かって貰えませんでした。
アイト「まぁ……信じてもらえないよな」
リック「信じるほうがおかしいと思う」
アイト「俺もそう思う……でもさ、」
リック「でも?」
アイト「このアイトってかなり強いんだろ? 同期で一緒だったリックならよく見ていた筈だ」
リックは剥き出しにして何時でも刺せる状態の短刀の刃先をこちらに向けたまま頷いた。
アイト「そんな彼が一般人に倒せると思うか?」
リック「……無理。彼の対人格闘術の腕は凄かった。でもだからといってそれは証拠にならない。複数に不意打ちされたなら彼でも助からないかもしれない」
アイト「……リックの知っているアイトってどんなヤツだったんだ?」
リック「………。強い人。何か目的意識があった。でも同期の中で彼は浮いていた。他の周りを寄せ付けない強さがあった」
アイト「そんな彼をリックは好きだったのか」
リック「っ!!?」
一瞬気が緩んだのか、驚いた表情を見せたが直ぐに構え直した。
リック「そんなの関係ない」
黒光りする短刀。持ち手の後方に穴が空いており、まるで苦無のような形をしたそれを握って刃先をこちらに向けなおす……ってそれ
アイト「あれ、苦無なんて珍しいな」
リック「…え?」
アイト「いや、だから苦無を持ってるって珍しいなって。最初はナイフかと思ったけど」
我が家の祖父も父もどうもそういった物が好きらしく、日本や他国の武器や武術。そんなものをよく教えてくれた。
って言っても忍者関係に関しては俺自身も好きで進んで調べたりしたし、実際三重県の伊賀市に観光に行ったりした位だ。
リック「…何でこれの名前を知ってるの?」
驚きを隠せないでいる。無理も無いわな。
アイト「そもそもそれどうしたの?」
リック「訓練兵団のときアイトに貰った…。珍しい物だし、彼以外これの名前すら……! み、『みえけんにあるりゅうはのなまえは』!?」
なにそれ暗号? クイズ? なんて言った?
みえけんにあるりゅうはのなまえ…
三重県にある流派の名前……
アイト「伊賀忍の事が言いたいのかな?」
これで違ってたら俺もう駄目だわ。