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明晰夢【進撃の巨人】

第5章 役目


チッ…チッ…チッ…チッ

向こうの部屋のように時計が時間を刻む音が響く。

ふと目が覚めてしまい、上体を起こして壁に掛かっている時計に目をやる。

今は夜中か。寝た時間が早かっただけに少し早すぎる起床だ。



キッチンで沸かしたお湯で紅茶を作り、執務室のソファに座って口に紅茶を流し入れる。

コンコン。

突然、部屋の出入り口からノック音が鳴る。

夜中の訪問者って…勘弁してくれよ。

アイリス『アイトさん。起きてます…?』

アイリスだ。返事をして中へ招き入れる。

アイリス「えへへ…。すいませんこんな時間に」

アイト「起きてなかったらどうする気だったんだ?」

ニコニコしているアイリスは手を後ろに回したまま部屋へ入ってきた。

アイト「その手に持っているのはピッキング用の道具ですねアイリスさん」

アイリス「」

以前母に見せてもらった事がある。まさしくそれと同類のものだった。

アイリス「私の特技は工作活動です!」

しらねぇよ。何無理に誤魔化そうとしてんだよ。

アイト「…紅茶飲む?」

アイリス「…頂きます」

急に汐らしくり、ソファに座る。何か調子狂う。

もう一人分持ってきて、今は月明かりだけで十分明かりが確保されている執務室にいるアイリスに渡した。

アイリス「ありがとうございます……。やっぱアイトさんの入れるお茶は美味しいですね」

またニコッと微笑む隣に座る少女。

何時もこうやって静かにしていれば可愛いのに。

出会って二日。(正確には1ヶ月とちょっとだと思うが)此処のメンバーも随分と良かった。

少し抜けている所があるが一生懸命に俺のサポートを行うアイリス。

飄々としつつも手回しも完璧なゲルハルト。

アイトを尊敬と信頼するウェン。能力は正直よく分からない。

そしてアイトに信頼や尊敬以上の想いを持つリック。夕方会った時トラップ作りを進んで作りたいと。本人達も工作は得意だと言っていたな。

アイト「…二人とも工作が得意って言ってた。別にアイリスが着いて来ても良かったんじゃないか?」

トラップを作るだけの技術を持っているのなら実践でも役立ってるはず。情報収集はゲルハルトも出来るからそう考えるとアイリスでも良かったのでは。
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