第5章 役目
隼人こと私ですが、剣道の段位を持っています。
えぇ、三段です。普通に取得する中で年少になります。
興味は無かったけど、両親が両親なだけに半ば強引に始めた。そして今年段位を取って辞めたのだが、何の嫌がらせだろうか。
ゲルハルト「にしても今時珍しいな。普通に超硬質ブレードの方が替えも利くし切れ味も良いし。何で使い続けるんだ?」
本当に何ででしょうね。こんな日本刀なんて巨人狩るのには向きませんって。それこそ人を狩るなら別でしょうけど。
アイト「…この剣の発祥の地でこれを帯刀していた人種は命と同等にこれを扱っていたんだ。切れ味云々とかそれ以上のものが詰まってるんだよ」
昔の本で読んだ事をそのまま言っただけだが。
ゲルハルト「効率性を重視するアイトには似合わない非科学的な発言だ」
アイト「ゲルハルトもよく研ぎの技術を知ってたな」
刀の研ぎ作業は何気に難しい。いや、それは武器全般に言えることか。
ゲルハルト「そりゃ趣味で武器作りする中で覚えた腕だよ、腕。後、それに興味もあったからな」
趣味が武器作りって現代じゃ発言出来ない台詞だな。
取り敢えず、この刀は俺の物らしい。
使うか使わないかはともかく持って行こう。
…それで今朝超硬質ブレードで人殺してたのか。
骨まで切り落とすって相当切れ味良いんだな。あれ…。
削ぐっていうのも納得だ。
ゲルハルト「荷物はドアの前に置いておく。コレで全部か?」
アイト「あぁ。助かった。ありがとう」
ゲルハルト「あいよ。…じゃ、頑張って来いよ」
部屋の出入り口傍に荷物を置き、ゲルハルトから受け取った布を再び刀に巻きつけて荷物と一緒に置いた。
アイリスたちは部屋でリックの荷物の準備をしているらしい。
明日も早いし、寝るか。
このベッドで寝るのも暫く無いのか。
…って二日しかこのベッドに世話になってねぇよ。
明日直ぐ出られるよう、制服の上着だけ脱いで後はシャツと制服のパンツを穿いた状態で眠りに着いた。
二日しかいないのに随分長く居た感じになるのはきっと夢の中の内容が充実しているからだろう。
……あれ、トロストって確かエレン達が非難している所だよな。
危なかった。今日行っていたらマジで大変な事になるところだった。
アイリスの予感的中過ぎるだろ。