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明晰夢【進撃の巨人】

第1章 明晰夢


隼人「あぁ…明晰夢か」

莉那「あ、隼人くん知ってるの?」

知ってるも何も、無意識の内に行っている。

常日頃から。

きっかけは小学生の頃だ。

『自由に見たい夢を見て、そしてその中で動き回りたい』


小学生らしい考えだったと思う。

そして俺は出来ないものか調べた。

そして見つけたのが『明晰夢』

やり方は色々言われているが、その中でも一番信憑性のあるもので実際にやってみた。

そして上手く行った。

当時流行っていた漫画の世界に入り込み、主人公たちと共に戦っていた。

そう、夢の中では随分と自分に都合よく作られているのだ。

扱った事もないのに銃や魔法の使い方を知っていたり、出てこないのに主人公とかなり仲良かったり…。


そう、此処は夢の世界。

見た人の夢を叶える世界。

それが夢。そしてそれを自在に見るのが『明晰夢』



とは言ったが、この明晰夢。誰でも出来る訳ではないらしい。
体質的なものもあるが、俺はたまたま良く見れる方であっただけだ。

更に所詮は夢。

見たといっても証拠がない。見ていなくても見たと見栄切って言えば見た事になる。


そう、其処は夢の世界。

見た人にしか分からない世界。

それが夢。


自在に夢を見れる。そして動き回ることが出来る。

初めて行ったとき、これ程楽しい事はなかった。

しかし、いざ夢から覚めると、其処は何でもない現実世界。


空想から現実に引き戻された時、そこに残るのは楽しかったという気持ちではない。

まだあの世界に居たかったと言う疲労感である。

実際この明晰夢が流行った当初、それが原因か否か定かではないが、少し問題になった。

勿論、明晰夢のせいという確証は全く無い。

だが、様子が可笑しくなった殆どのクラスメイトは明晰夢に興味を持っていた人間というのもまた事実だ。

現に俺も一回みて翌日の絶望感がやるせなくてその一回で止めた。

それなのに何故今でも見るのか。

見たくはない。にも関わらずその日以降、見る方法を行わなくても見れるようになってしまったのだ。

それ以来、俺は見切りを付け、「これは夢の中。後で目が覚めたら学校だ」としっかり境界を作ることで今に至っている。

明晰夢も極めれば続きから見る事も可能なようだ(体験談)

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