第4章 こんにちは二次元

おかしい。それはおかしい…。

明晰夢で見る時、その視点。つまりオレの場合は『アイト・レオンハルト』になるのだが、その夢主の視点は実在するキャラの視点にはならない。いわばオリキャラの視点でしか介入できない。

実在するキャラクターからの視点では見れない筈。

なのに…オレは実在する人物の視点で見ていた。

大体、そんなキャラ居なかっただろ。まさか５巻以降に出ていると言う事じゃないか…。

４巻までに訓練兵団時のシーンがあるとは言え一部だ。

だとしたら５巻以降に出た訓練兵団の回想シーンとか出ていたのかもしれない

隼人「そのアイトって何時から出てるんだ？」

莉那「え、最初から出てるよ？　トロスト奪還作戦ではエレン達訓練兵と前線に立ってたし」

はい、詰んだ。オレの予測は今悉く破壊された。

じゃあ結局どうなる？　ただの偶然？　

隼人「なぁ、そのアイトのことを詳しく書かれてる描写ってないのか？　彼の過去とか…」

すると莉那はネタバレになるかもしれない事をオレに確認した上でオレが了承すると話してくれた。

莉那「アニって憲兵団行きたがってるんだよね。で、アニの練習に付き合ってる時に元々憲兵団に居たって事を明かしたってのはあったよ」

同じだ。憲兵団にいたという経歴が同じだ。しかし、それだけで確証は出来ないが。

莉那「アニが気を許した数少ないキャラってのは間違いないよ。後、実はアニの小さい頃にアイトはアニと出会っているってのも後々で分かる」

盛大なネタバレで少し泣きそうだが、このアイトとオレの知っているアイトが同一人物かを割り出すためには仕方ない。

此処まで聞くとかなり似ているが、やはりこれまでに事例がない。自分の視点のキャラが実は漫画に居たと言う事が。

莉那「あ、でも。さっきの話になるけど…アニに『どうして憲兵団を辞めたんだ？』って台詞に対してーーー


ーーー『殺すより育てる方が性に合う』って何か意味有り気な台詞残してましたよ」

可能性が高くなってしまった。

だが、だとしたら何故オレは登場するキャラになっていたのだろう…。こんなこと一度も無かったのに…。