第3章 おはよう三次元
アイリス「話をしよう。アレは今から36万…いや、1万4千年前だったか……(フッ)まぁいい。彼女には72通りの名前があったから何と呼べば良いか。確か、最初に会った時は『イーノッアイト「特に理由のない暴力って知っているか?」
アイリス「誠に遺憾の意を示します」
オレはたまにこの子が恐ろしく感じる。妹の莉那の様な暴走を見せるからだ。
アイリス「……、アイトさんも憲兵団の弛み切った現状はご存知でしょ?」
そりゃ昼間から支部内で酒を飲んでる姿見ればねぇ…。
アイリス「私の時もそうでした。贈収賄の話もよく飛び交ってたし実際私にとある商会の人に掴まされましたから」
アイト「で、受け取ったのか?」
アイリス「だったら今頃憲兵団で隊長クラスでしょうね」
皮肉ってるな。しかし、それ位横行して尚且つそういった世渡りしてるのが成り上がっているのも事実か。
アイリス「それから直ぐでした。ストヘスからトロストに飛ばされたのは」
左環命令…? やっぱり上層と連中は繋がりがあるみたいだ。
アイリス「異動になってから勅令憲兵に昇格したので…まぁ良かったのかもしれませんね。その後すぐ贈収賄の証拠掴んだ所でこっちに送られてきちゃいましたけど」
勅令憲兵というのは通常の憲兵よりも権限があり、今の俺達の様な諜報や暗殺を主とした精鋭集団らしい。俺達の正規版か。
そういった奴にも手に負えない仕事がこっちに周って来るのである。
元より殆ど機能していない現憲兵団を見たらその仕事の殆どをこっちに振っているような気もするが…。
アイリス「あ、あはは…何かアイトさんの疲れ癒す為に出て来たのに返って疲れさせちゃいましたね」
アイト「そうやって過去を話してくれたって事は俺を信頼してくれてるからだろ。疲れたり嫌とは思わないよ。それでアイリスがスッキリしたのなら俺も聴いた甲斐があったって事だ」
アイリス「…リックがアイトさんを好きになるのも納得です」
アイト「何で?」
アイリス「アイトさんと話していると落ち着くんですよ。私も好きになりそうですよ」
どうやらオレは年下っぽい子に好かれる傾向みたいだ。
将来は保育園や小学校の先生とか向いてるかも知れんな。
あ、コイツは俺より年上か。