第3章 おはよう三次元
結局明後日以降の仕事に影響が出るかもしれないという事で今回はストヘス区内だけになった。
街中を歩くと思うのは、まるで巨人がいる事を忘れているのではないかと思うくらいの平穏っぷりであること。
のんびりと二人で歩いていると、急に周りに木々と芝生い茂る場所に出た。
木々が木漏れ日で影を作る道を歩いていくと中央に大きな噴水のある広い空間に出た。公園か。
アイリスに薦められて噴水広場の周りにある木々の一角に腰を下ろした。芝生の上に腰を下ろして木陰を作る木に寄りかかる。巨人が居なければ最高の空間である。
アイリス「お邪魔しまーす」
ちょこんと当たり前のように俺の足の間に座り、同じようにアイリスは俺に凭れ掛かる。
アイト「お前は何をやっているんだ」
アイリス「良いじゃないですか。嬉しいでしょ?」
アイト「幼児体型のアイリスに言われてもなぁ…」
こいつ、リックより小さくないか?
アイリス「なっ…150cmはありますしアイトさんより3つ上なんですよ!!」
アイリス…身長150cm(19) 本当に二次元は見た目とプロフィールが一致しないキャラで一杯である。
アイリス「失礼しまーす」
ポスンと俺の胸に頭を凭れる。
風が吹くと木々は揺れ、木陰には気持ちの良い風が吹く。
まさか爆風じゃねぇだろうな…。
アイト「何かこうしていると平和ボケしそうだな…」
アイリス「本当ですよねぇ…。これでクッキーと紅茶があればもう最高ですね」チラッ
アイト「はいはい…。今度は持ってこような」
アイリス「ふへへ…」ジュルル
先ずは涎を拭け。
ざわざわと木々の葉が擦れあう音。
ざーという噴水から水が流れる音。
人の少ない公園は自然の作り出す音で賑わっていた。
ふと、オレは目の前でうとうとしているアイリスに聞いた。
アイト「なぁ、アイリス。本当は何をしてここに飛ばされたんだ?」
前回の話を聞く限り、俺達5人は冤罪で此処に転属された。
なら、そんな罪を着せられるような何かがあったに違いない。
同時にこのアイト・レオンハルトの事ももう少し分かるかもしれない。
うとうとしていたアイリスはピタリと動きを止めるとこちらを振り返らずに話し出した。
アイリス「…ちょっと昔話でもしますか」