第3章 おはよう三次元
…コツッ
コツ
……コツッ
コツ
……………コツッ
コツ
ウェン「チェックメイト」
ゲルハルト「がはっorz」
まるで血でも吐き出したかのような嗚咽と共にゲルハルトは崩れ落ちた。
執務室にあるチェス台の盤面にはゲルハルトの黒駒のポーンが3個とキング、それとナイトが1つ。
対してウェンの盤上の駒は殆ど無傷である。
むしろポーンからクイーンに変わった駒もいる。
ゲルハルト「つ…強えぇ」
瀕死のゲルハルト。それに更に追い討ちを掛けるかの如く、平然としているウェンの一言。
ウェン「いや、僕が強いんじゃなくてゲルハルトが弱すぎなんだって」
ゲルハルト「ブファッ!!」吐血
アイリス「ウェンもっとやれ! ゲルハルトのライフはとっくに0だよ!!」
制止する所か加担しているヤツもいる。
アイト「しかし…これは酷い」
リック「ゲルハルトの指揮下にいたら……死ぬ」
ゲルハルト「 」
息をしていないゲルハルトを自室までウェンが運ぶ事でこの場はお開きになった。
アイト「さて…そういや俺の制服どうした?」
ウェン「あ、今朝のは返り血が酷かったので今洗濯中です。代えの制服さっき持ってきたのでそれ使っててください」
ウェンが指差すゲルハルトの後ろにあるソファに綺麗に畳まれた制服が置かれていた。
ウェン「僕とリックは夜まで街中を散策してきます」
アイト「ん、行ってらっしゃい。服ありがとう」
俺と同じ位の体格はあるゲルハルトを容易く肩に担ぎ上げたウェンはいえいえとだけ言ってリックと一緒に部屋を後にした。
アイリス「さて、暇になりましたね」
アイト「優秀な服隊長が仕事を片付けていてくれたおかげでね」
アイリス「素直にありがとうって言って下さいよ」
アイリスに素直に礼を言うと何故だが負けた気がするので正直あまり言いたくない。
アイリス「私もこれから買い物に行きますけど…アイトさん一緒に行きませんか?」
アイト「あー…暇だしそうするか」
後、ついでにこの周りを見ておきたい。
欲を言えばエレン達が居るであろう地区に行きたいのだが…。
アイリス「女の子と買い物に行くんだからもう少し喜んだらどうですか?」