第3章 おはよう三次元
アイト「アイリス、今後の予定はどうなってる?」
パンに噛り付いていたアイリスは呼ばれると口の中のものをスープで流し込んでから話し出した。
アイリス「さっきも言ったけど、今の所今日と明日は予定ありません。さっきの資料にあった報告書の通り、先日までに全部片付けておきました」
やっぱりこの子はやれば出来る子なんだ。
見た報告書には確か上層部の一人の幹部と関わりのある商会の行った密輸の隠蔽だったか。
…変な話だ。市民を助ける兵士が悪行事を隠さないといけないなんて。
アイリス「先日の密輸隠蔽の件ですがゲルハルトに言って、後処理も任せました。あ、勿論そこは報告書には書いてませんよ?」
後処理? 報告書に載せれない事って…人を消したとか?
アイト「なにしたんだ?」
ゲルハルト「んー? その商会の倉庫に盗人を差し向けた」
はい?
ゲルハルト「そっちの筋連中に情報を流しておいた。出所不明の品が流れている倉庫があるって。丁寧に倉庫の窓の解錠までしておいたよ。で、盗人が出て来て住居の多い地区に差し掛かった所で信用できる憲兵達を差し向けて捕まえさせた」
あ、何か読めてきた
ゲルハルト「押収品に『たまたま』密輸品が紛れてて、その倉庫から出て来た盗人を『たまたま』見かけた『善良な』市民が証人になったから倉庫を調べた所、密輸品が出て来てしまって商会メンバーは現在裁判所に行ってますぜ」
アイト「なにそれ怖い」