第11章 まったく、小学生は最高だぜ!!
広場の端の、以前木に引っ掛かったボールを取った木の周りで子供達が遊ぶのを遠目に眺めながらリコさんは言葉を続けた。
リコ「変えてくれるんだろ?」
アイト「正確には元に戻しますから」
穏やかな風が吹き、木々やテントを揺らした風は俺等の所にも届き、リコさんの綺麗な銀髪をフワリと揺らした。
揺れる髪を押さえるリコさんに見とれていたらじとっとした目でこちらを見てきた。
リコ「あくまで期待だけだ。完全に信用してる訳じゃないのは頭に入れててくれよ?」
アイト「ですよねー」
ツンデレというわけではなく本気ですね。
アイト「じゃあ、リコさんに早く信用していただけるように頑張りますか」
リコ「フフッ。そうしてくれ」
ニコリと笑みを見せてくれたリコさん。そういえば何か要件があったんだよな。
アイト「そういえばリコさん。俺に何か用事があったのでは?」
リコさんはあぁ、と思い出すようにして答えた。
リコ「先程難民から通報があってな。不審な憲兵が避難所に入り込んでいたらしい」
アイト「憲兵が…。申し訳ありません。で、その憲兵は?」
リコ「あぁ。逃走したらしい。何でも10歳位の少女に何かしていた所を子供が目撃したようだ、子供から報告された事を難民を通して聞いてな 。その少女も誰かは分からないし、憲兵も分からず仕舞い。それで君に相談しに来たんだ。身内に幼児性愛者がいるというのはちょっと…な」
アイト「最悪な野郎ですね。見つけ次第社会的に抹殺してやりますよ」