第11章 まったく、小学生は最高だぜ!!
アニ「じゃ、じゃあ・・・・・・!」
アイト「あ、でも動物の命扱うんだから見ず知らずの人じゃなくて友達くらい仲のいい人に渡さないとなぁ・・・」
アニ「っ!?」
アイト「建前だけの友達じゃ逃がしかねんし、どうしたもんかね」
アニ「・・・・・・・・・」
さっきから目の前で涙目になって身体をプルプルさせているアニが可愛いです。
やべぇ、もっと泣かせたい。
いかんいかん。俺は紳士だ。泣かせるのが好きなんてとんでもない。
アイト「・・・あ、いるじゃん」
アニ「・・・え?」
俺は抱えていた猫をスッとアニに返した。
かなり大人しいこの猫なら子供でも世話は出来るだろう。
それに、アニは避難所内でも周りと距離を取りたがっている様に見えた。
理由はともかく人とあまり接したくないのだろう。
そんな彼女が俺に相談を持ちかけてきたんだ。叶えてやりたいもんな。
アイト「考えてみたら俺とアニは友達だったじゃん。それに猫好きだし問題ないだろう。衛生管理上、テント内に入れることは出来ないが、俺が勤務中の間代わりに世話してくれたら助かる。どうする?」
アニ「やる!」
即答だった。
彼女には言えなかったが、別に彼女自身が猫をテント内に入れないならこっそりと飼う事自体は問題なかった。
ただ、それを許可したときに猫に与える餌はどうするのか。彼女なら自身の配給を分け与えかねない。
只でさえ微量の配給からさらに減らせば彼女自身も危うい。それなら給金もしっかり入る俺等がめんどうを見ればいい。
幸いと言って良いのか。俺も猫は好きだし、このぬこを機にアニと話す機会も増えそうだ。
こちらの考えなんてつゆ知らず、アニは胸中で気持ちよさそうな表情をした猫を撫でていた。
そんなアニの頭にポンと手を置き、撫でながら俺は言った。
アイト「頼りにしてるぞ(猫に対して交流の架け橋的な意味で)」
アニ「うん。・・・あ、・・・・・・ガトウ・・・」
(`・ω・´)「みゃい!」
アニが気恥ずかしそうにゴニョゴニョ言っているが、猫の元気な返事によって聞き取りきれなかった。