第2章 幕開け
アイト「で、何で前科持ちしか居ないのが当たり前だって?」
本当に勝手に紅茶を作り始めたアイリスに半ば呆れつつ聞いてみる。
アイリス「そもそもこの兵団の結成理由覚えてます?」
アイト「ごめんなさい」
棚から取り出した茶器をソファ前にああるコーヒーテーブルに置き、隣の部屋に入っていった
アイリス「アールグレイ貰いますねー。自室にキッチンがあるって贅沢ですねー」
さっきからなんの部屋かと思ったらキッチンだったのか
なら恐らくこの真反対にある扉は寝室だろうか。
団長室とは随分贅沢なんですな。
この部屋の作りは、中央に業務を行う部屋。入ってきてデスクを正面に見ると右手にキッチン
そして左手に寝室があることになる。
これ、あれだ。1LDKやな。
アイリス「あ、さっきの話ですけど元々入る予定だった人員も全員前科持ちですよ。軽犯罪から重罪まで様々ですが…」
アイト「だから何でそんな連中が集まってんだよ」
アイリス「固形燃料借りますね。返せないけど…---でも相当腕が立つ人間しか入れる予定なかったみたいです。後は服役か、死んでます。ほら、表沙汰にしたくない任務とかってあるじゃないですか。あれの処理班ですよ此処の前科持ち兵団…今は諜報部ですね」
まさに影の兵団か。なにその厨二病患者が好きそうな兵科。
アイリス「私の時もそうでしたよ。罪状を受け入れるか、この兵団に入るかって聞かれましたから。いやぁ、憲兵やってて助かりました」
すいません、笑えません。俗にい言う司法取引ですか。
アイト「あれ…つまり何かしら罪を犯したから此処に入ったんだよな?」
アイリス「えぇ」
アイト「じゃあ、さっき言っていた元々入る予定だった駐屯兵団や調査兵団の連中はどうした? その先日の超大型巨人の時に功績でも残して復帰したとか?」
キッチンでうーんと唸るのが聞こえる。
同時に何かガチャガチャしているのも聞こえる。紅茶淹れるのにそんな音するかな…。
アイリス「まぁ…もしかしたら一人くらい居るかも知れないけど、多分帰ってこない理由は------
食べられたからでしょうね。あの人達最前線送りでしたから」