第11章 まったく、小学生は最高だぜ!!
無視すんなゴルアァァァァと言わんばりの体当たりを喰らい、一瞬意識が遠退きそうになった俺の意識はまた別の何かを捉えていた。
此処で気を失う→誤解のまま話が進む→タイーホ→終了→アイトげきおこプンプン丸→目が覚める
それはそれで良いかもしれんが、そうなると次回此処にこれなくなる。
そう結論づけた俺は意識を取り戻し、涙目で呆気に取られているアニの腕を引っぱり抱え上げると、逃げるようにして街中の方へと駆けだした。
テント裏沿いを行けば誰の目に触れることなく中央広場の近くまで出られる。
ライナーも必死に追い掛けてくるが、元の原因のアニはなにが何やら分かっていないようだ。
腕の中に抱えるアニの腕には相変わらず小さな猫がくるまっている。
猫の割には随分おとなしい。
必死で追い駆けてくるライナーを何とか撒き、そのまま人で賑わう中央広場へと抜けた。
アイト「なんか・・・・・・俺が悪者みたいになっちまったじゃねぇか」
アニ「捨ててこいって言ったんだから悪者でしょ」
アイト「あのなぁ・・・」
アニ「あのさ・・・」
アイト「ん?」
アニ「早く降ろして欲しいんだけど・・・」
軽すぎて抱き抱えたままだったの忘れていた。
なるほど、道理でさっきから大衆の目線を浴びせられてきた訳だ。
アニを降ろしてあげるとやや不機嫌そうな顔をしつつ、腕の中の猫を見つめていた。
その様子を見ていた俺は、
アイト「・・・可愛い」
アニ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
思わずぽつりと呟いた。
すごく長い間を置いてアニが驚きながら振り向いて反応する。
アイト「可愛いな」
俺の言葉を聞き、どんどん顔を真っ赤にするアニは、
アニ「な、なに言ってんのさ・・・。可愛いなんて」
何故か声高になりながら否定してきた。