第10章 2=1+1=2
そうだよな・・・・・・。そもそも俺高校生だし。普通なら年上の人達を指揮するってないもんなぁ・・・。
「あ、あの・・・。」
アイト「うん。大丈夫。自覚してるから」
「誉め言葉のつもりだったんですが・・・」
うん? どういう意味?
「アイトさん・・・・・・貴方はどうも一般の憲兵とは違う雰囲気がある。それも良い方向で。自分のことしか考えてない憲兵とは全く違う。本気で民の事を考えて動いている。珍しい憲兵が居たもんだと思ってな」
誉められてる・・・んだよな。俺自身は当然のことをしてるつもりだから別に誉められる事をしてる訳じゃないんだが・・・。
アイト「憲兵ってそうあるべきなんじゃないのかな。御宅等駐屯兵と殆ど変わらない。民を護るという気持ちは変わりないよ。団章が違うだけ。薔薇か一角獣か。それだけだろ」
「・・・本当に変わった奴だな」
アイト「貴方も言葉遣い変わってますしね」
「でも、怒る気ないんだろ?」
アイト「よく分かってる。信頼でもしてくれてるのかな?」
「信頼してるかどうかだったら半々だ。これからあなたの働き次第、って事だ」
どうやら中々に物言うタイプの女性みたいだ。
こういうタイプの女性は嫌いじゃない。
アイト「そっか。なら貴方みたいな綺麗な人に慕ってもらえるよう努力しますか」
「・・・冗談も言えるんだな」
アイト「今の何処を冗談と捉えたのか」
「綺麗な人って所」
アイト「冗談だと思った? 残念! 本気でした」