第10章 2=1+1=2
アイト「 解離性同一性障害か・・・。この世界にもあったんだ・・・」
巡回も兼ねた見回りの休憩で広場のカフェにてリックの話を聞いていた。
長く話して口の中を潤すためにリックは手元のカップを口へ運ぶ。
アイト「トラウマになるほどの経験をした時、それを思い出したくない故に自身とは違うものと否定した時に現れると聞いた事がある」
そのトラウマになるほどの内容を聞こうとは思わない。が、
アイト「最近はどうなんだ?」
リック「・・・前よりは落ち着いた。私もウェンも前ほど沢山の人格は現れなくなった」
アイト「そうか・・・」
まさかとは思うが、先日の酒酔いしたリックやストヘス支部で一緒に居たときと今性格が違うのはそれが原因なのだろうか・・・。
難にせよ、ウェンがコロコロ性格が変わって感じられたのはそれも要因の一つだったのか。
分かる範囲でリックは少年のように幼さを持ち、敬語で話す人格と、人を小馬鹿にするような性格とがあるようだ。
初めてあったときは・・・確か敬語だったから前者の性格かな。
とにかく大変だな・・・。自分の中に複数の人格が存在する何て想像着かないわ。
リックは懐中時計に目をやると、休憩を終える時間が迫っていたのかカップの中身を一気に飲み干した。
そうだ、リックならあの避難所が何時まで開設されてるのか分かるんじゃないか。
リック「なぁリック。あの避難所って何時まで開設されてるんだ?」
するとリックは間を置くことなく答えた。
リック「早くて後一ヶ月。遅くても二カ月」