第2章 幕開け
アイリスに
「調子悪いんですか? 頭大丈夫ですか?」
って言われてちょっとイラッとしたが、此処は我慢だ。
アイリス「あ、そうそう。この資料アイトさんの部屋に持って行く予定だったんですけど」
アイト「よし運べ」
アイリス「空気読んで下さいよ」
アイリスに先導させて自分の部屋に行く。
道すがら、憲兵団とすれ違うが凄い冷ややかな目で見られる。
そもそも此処は憲兵団の支部らしい。
アイリス「着いたー。勿論開けてくれますよね?」
両手塞がってますアピールするアイリス。
そこまで鬼じゃない。
木製のその扉を開き、アイリスを中に入れた。
アイリス「失礼しまーす」
・・・・・・広い。如何にも偉い人が使ってそうな部屋。イメージ的には社長室みたいな感じだ。
入って正面奥にあるデスクにアイリスが持ってきた資料を置く。
アイリス「あー疲れたー。 アイトさん、紅茶が飲みたいです」
アイト「お前は何を言っているんだ」
アイリス「ブーブー(゚Д゚)」
アイト「飲みたいなら勝手に作れよ」
ソファでダランとしているアイリスを放置し、デスク用の椅子に腰掛ける。
置かれた資料。
諜報部って言ってたし、大方諜報活動の記録だろう。
あ、そうだ。
「アイリス。ウチの兵団のリストある?」
「其処にありますよー」
指さすのは目の前にある資料の山。
「言われた通り、人数変わったから作り直しましたよ」
一応やればできる子みたいだ。
資料の束の一番上にある『所属者リスト』がそれだろう。
5名しか居ないせいか、かなり薄い。
名前を覚えるのも兼ねて、目を通すことにした。