第2章 幕開け
「あ、アイトさーん!」
また声を掛けられた。団長って大変なんだな・・・。
エルヴィンェ・・・。
タタタッと駆け寄ってくる少女。見た目からして10代後半、オレと同じくらいだろう少女は手に紙の束を持って走ってきた。
「 アイトさん、お仕事お疲れさまでした!」
「・・・・・・ごめん、誰」
率直に聞く。多分この子なら、
「な、ヒドくないですか!? アイリスです! 『アイリス・ルーン』です! 貴方の部下ですよー!」
こういったアホの子みたいなのは冗談風に言えば自分からペラペラ喋る。
って死んだ爺ちゃんが言ってた。
アイリス「大体今は分隊並の人数なんですし、もう1カ月になるんだから覚えてくださいよー!」
また新しい情報が入った。この子に機密情報とか持たせたら絶対危ないね。
アイト「あれ、ウチの兵団って何人だっけ?」
アイリス「それも忘れたんですか!?
現在はアイトさんと私を含めて5名です」
まさに分隊並じゃねぇか。
あ、って事は後の三人はさっきの人とローブの二人か。
それにしてもこのアイリスって子、口が軽いな。もっと質問すれば色々聞けそうだ。
アイト「何でそんな少人数なのに兵団なんだ?」
アイリス「元々もっと入る予定だったんてすけどね。1ヶ月前の超大型巨人の襲撃の影響で憲兵団だった私達以外元の兵科に戻されたんですよ。で、活動内容は決まってたけど兵団名決まる前にバラバラになって・・・ってすっかり忘れてるんですね。」
アイト「すいませんでした。」
アイリス「ま、来年か再来年までの臨時兵団ですから名前なんて気にしなくて良いんじゃないですか?」
本当に不正規の兵団なんだ。
アイリス「そもそも諜報を専門にする部隊が兵団っていうのも変な話ですけど」
本当にこの子はよく喋る。
が、お陰で何となく分かってきた。
つまり、オレ等の主な活動内容は諜報活動ってこと。
そして未明に殺したのは恐らくこちらにとって厄介な人間だったのだろう。
オーケー、少し把握してきた。
何とかこのアイトの存在理由は分かってきた。
後何をしているのかも。
流石オリジナル設定、かなり容赦ない。
・・・あ、考えてみたらこのアイトもオリジナル設定じゃねぇか。