第7章 幼馴染と同郷組 by,幼馴染
アイト「そうだな・・・。確かに今のままだったらこの腐れきった憲兵団に埋もれそうだ」
アニ「一層埋もれた方が楽かもよ」
そうだな。貴族や王族程ではないにせよないにせよそれでも生産者や普通の兵士に比べれば十分快適な暮らしである。
アニ「それに、アンタがそこまでする必要があるのかい?」
アイト「ないな」
アニ「でしょ。ならーーー」
アイト「だからと言って何もしなければ何も変わらない。なら行動を起こす」
アニ「っ・・・・・・」
アイト「俺は調査兵団に入る様な勇気はなかった。人にはそれぞれ役目がある。で、俺は憲兵団を変えるのが役目」
思っている事をただただ連ねただけだが、言いたい事は言った。
アニ「そんなに変えたいなら・・・・・・先ずは人の気持ちを理解しないとね」
アイト「だな。じゃあ友達になってくれ」
アニ「・・・・・・は?」
今のは? は馬鹿なの? みたいなのじゃなくて呆気にとられた音だった。
アイト「こうやって色々俺に言ってくれた。で、俺は人の気持ちを理解したい。なら先ずはアニの気持ちを理解したい」
理屈に叶ってる! いや、叶っていないと困る!!
アニ「本気で言ってんの?」
アイト「本気じゃなきゃこんな事アニに言わないよ」
アニは暫く黙り込んでしまった。
混乱してるようにも思考を巡らせてるようにも取れるその無表情っぷり。
そして、出て来た答えは、
アニ「・・・わかった」
という一言だった。