第7章 幼馴染と同郷組 by,幼馴染
誤解とはいえやってしまった・・・。
アイト「スマン。浅はかだった・・・」
言い訳も思い付かず、謝るしかなかった。
隣に座るアニと向き合い、立ち上がって頭を下げた。
そうだった。俺は今憲兵だ。市民に嫌われてる憲兵だった。
俺の当然と、彼女達の 当然は全く違った。
それを全く考えなかった言葉を投げてしまった。
アニ「ふーん・・・憲兵がこんな子供に頭下げて謝るんだ」
アイト「憲兵とか関係なしに、俺は悪い事をしたと思ったら子供相手でも頭を下げる」
物珍しい目で見下ろすアニ。それもそうか、年上のそれも憲兵が自分に頭を下げて謝っているんだから。
これでこの子に変な性癖が生まれなければ良いが・・・
アニ「・・・駄目だね。アンタは私達の事何にも分かっちゃいない」
アイト「・・・・・・・・・」
駄目か・・・。憲兵に対する不信感がある限り、やはり市民とは分かり合えないのだろうか。
アニ「ねぇ、・・・アンタは何で憲兵になったの?」
突然の質問の意図が分からなかった。
何でそんな事を聞く? そうも思ったが此処は素直に返そう。
アイト「この憲兵団を変える為」
アニ「ふーん・・・・・・」
また一言で返された。
アニ「私達の事も分からない憲兵に憲兵団を変えられるとは思えないけどね」
アイト「・・・・・・・・・」
生きてきた経験の違いか。彼女のその言葉は重く感じた。