第7章 幼馴染と同郷組 by,幼馴染
ハンネスと若い駐屯兵に礼を述べ、駐屯兵達と最終確認を終えてテントを出る頃には日もすっかり暮れかけていた。
帰る前にゲルハルトに挨拶していこうと探すと、何やらミカサと話をしていた。
珍しい。彼女がエレンから離れているなんて。
しかし、その話しているゲルハルトは何やら凄く困り果てているようだった。
別に助ける必要もないが、声を掛けてやった。
ゲルハルト「お、おぉ! 喜べミカサ。アイトなら知ってるぞ!」
アイト「何をだよ」
ミカサ「子供の作り方」
アイト「」
ミカサ「?子供の作り方」
アイト「」
ミカサ「子供のーーー」
アイト「それは人類の神秘の謎だ。そしてそれを堂々と話せる者も少ない。いや、聞かない方が良い」
ミカサ「でも私は知りたい。アイトは知ってるんでしょ」
ミカサの目が〈●〉〈●〉の表現の似合う目でこちろを凝視する。
逃げたい。もうゲルハルトを犠牲にして逃げ出したい。
アイト「話が長いから今度暇な時にしよう。向こうにも顔出すから」
ミカサ「分かった。もし約束破ったらーーー許さない」
目に見えない圧力を感じる。
何か嫌なものを背筋に感じながらミカサはやってきたエレンとアルミンに合流した。
アイト「さて、俺はそろそろ支部に帰るよ」
エレン「アイトは明日からどうするんだ?」
アイト「あっち行ったりこっち来たり、開拓地に行って様子見てきたりやる事は沢山ある」
エレン「そっか。じゃあ暫く忙しいのか」
少し残念そうな顔を見せる。きっと話し足り無かったんだろう。彼の兵士になるって信念には脱帽だ。
アイト「まぁ、落ち着いたらまた話そう。それまでは見て学べよ」
エレン「分かった。約束忘れんなよ?」
その言葉でチラリとミカサの方を見た。
ミカサ「〈●〉〈●〉ジィー」
アイト「あぁ。分かってるよ。じゃあ、そろそろ」
エレン「あぁ、またなアイト」
ミカサ「さよなら」
アルミン「失礼します」
別れの言葉一つでその人物の性格がよく分かる。
避難所中心の広場から三人が自分達の仮設テントの方へ帰るのを見送って、姿が見えなくなってから再度ゲルハルトに話しかけた。