第7章 幼馴染と同郷組 by,幼馴染
アイト「座学に自信があるなら技巧班に推薦してもらえるかもよ。あそこは知識人の巣窟だから」
その俺の提案に対し、アルミンはあっさりと一言で一蹴した。
アルミン「調査兵団じゃないと意味がないんだ…」
理由は分からないが、何かしらエレン達と共に行く理由があるみたいだ。
アイト「調査兵団かー…。俺も憲兵やってなかったら調査兵団入って外の世界ってのを見てみたかったんだけどなぁ…」
アルミン「え」
アイト「え?」
俺の言葉に何か驚きを隠せないで居るアルミン。
あれ、俺なんか変な事言ったかな。
アルミン「憲兵が外の世界の話をしてもいいんですか?」
アイト「え、だめなの?」
アルミン「だって外の世界の話をするのは厳禁な筈でしょ。王政の方針もあって…」
あー……何か一巻で言っていたような…言っていた。
王の下で働く憲兵がその決まりをあっさり破ったものだから驚いているのか。
アイト「憲兵の前に一人間だ。興味を持つ事は別に悪くもないだろう。いや、憲兵じゃ駄目か―――なら、アイトとととして興味がある。じゃ駄目かな?」
アルミン「いいのかな…?」
アイト「良いって事にしてくれると助かる」
アルミン「じゃあ…良いのかな」
アイト「なら良いんだよ」
少し話がそれてしまったが、今ので思い出した。
そうだ。3人は外の世界を見たい、旅したいという目的があったんだ。
ただ、アルミンの中で何か兵団に入る事に迷いがあるみたいだ。
それは体力とかだけではなくもっと色々と複雑なものが迷いになっているみたいだ。
アイト「とにかく、兵団に入るも入らないも自由だ。後2年間ある。大いに悩め。そして決断しろ」
アルミン「…はい」
俺の目を見るアルミンの目には、やはり何処か迷いが感じられた。
12歳になった時、人生の道とも言える選択肢に当たるんだ。兵士か生産者か。アルミン程の学力なら後者を選択してもきっと良い職に付いて生きていけるだろう。
だが、運命なんて分からないもんだ。
ちょっとした出来事で自分の人生は大きく変わってしまうのだから。