第7章 幼馴染と同郷組 by,幼馴染
設営の手伝いと情報伝達の為に2人の駐屯兵とは営庭前で別れ、俺等は現在訓練の行われている訓練所付近まで向かった。
訓練所内への立ち入りは禁止されているので入り口付近から様子を見る。
見学するには十分であろう距離だ。
それに訓練は訓練施設以外の所でもやっているらしい。馬術を含め兵站行進や立体機動等は訓練所近辺の平地や山岳、森林でやっているらしい。
此処でやるのは主に対人格闘の様だが、他にも基礎や体力訓練なども此処でやっている。
基礎は訓練所、実践は施設外と言った所だろう。
現に今現在営庭からすぐの所にある訓練所では筋トレや持久力訓練が行われている。
正に基礎体力訓練だ。
それをただジッと見ているエレンとミカサ。
よく見るとミカサの視線は訓練兵達というよりエレンに注がれている。
アルミンはというと、どうも乗り気じゃないみたいだ。
アイト「アルミン、ちょっといいか?」
エレンとミカサから少し離れた所まで連れて行くと、俺は確信こそないが、思った事を口にした。
アイト「もしかして、訓練兵団に入る気ないんじゃないか?」
アルミン「………」
返ってきたのは長い沈黙。
こうも沈黙されると当たりかはずれか見当付かない。
アルミン「僕は…別に訓練兵団に入りたくないとは思ってないよ」
アイト「じゃあ、なんで?」
アルミンはやや俯き気味になると再び沈黙した。
アルミン「兵士ってやっぱり凄いや…。あんなに体力あるなんて……。アイトさんもああいうのやってきたの?」
遠くから眺めるアルミン。
その先には訓練に見入るエレンとそのエレンに見入るミカサ。そしてその先にいる汗だくになって走り込む訓練兵が目に映った。
アイト「体力は基本だからね…。俺はまぁそこそこある方だったから良かったけど。座学は危なかった。よく主席で通れたと今でも思う」
アルミン「座学か…。そっちならまだしも体力は……」
あぁ。そういえばアルミンの体力って並みの兵士以下なんだっけ。
アイト「もしかして、体力に自信ないから兵団に入るの悩んでるって事か?」
俺なりの予想を立てて隣に立つアルミンに質問を投げ掛ける。
俺の予想では少しバツが悪そうにしながら頷くアルミンの姿を想像している。