第1章 はじまりーそしてとまどい。
みんなと別れて悠さんと電車に乗り込む。
車内は空いていて席もがらがらだったけど、
悠さんは私のすぐ横に座っていた。
今にも触れそうな距離にほんのり伝わる悠さんの熱にどきどきが止まらない。
何も話せないままうつむき固まっていると、ふと視界に悠さんのてのひらが映る。
悠「ん。」
目の前には悠さんの左手。
こ、これってどういう意味―?!
手を出せばいいのかな…??
でも…違かったらどうしよう!!
動揺しパニくる私を見て悠さんがふっと笑う。
悠「手、だして?」
!!!!!!
もうどきどきしすぎてよくわかんなくなってきた・・・
言われるがまま私はそっと自分の右手を悠さんの左手の上に乗せる。
「―――っ////!」
その手に悠さんの指が絡まり、またしても恋人つなぎになっていた。
悠「ん。いい子だね。」
悠さんは満足そうに微笑んでいる。
やばい…っ
絶対手にあせかいてるっ!!
悠「いい子にはご褒美あげないとね?」
「え…?」
聞き返そうと目線をあげると
顔のすぐ近くに悠さんの顔があった。
ーーーーー?!?!?!
えっ!ちょっーーー
チュッ
頬に一瞬柔らかいものがあたり、音をたて離れた。
それが何なのかすぐには理解できず固まっていると
悠さんが私の顔を覗きこみ笑っていた。
悠「大丈夫?」
ーーーいえ、大丈夫じゃありません。
思考は完全にストップ。
もしかして私…
今頬にキスされました…??
悠「ははっ可愛いなぁ、おまえ。」
急激に顔に熱が集まるのを感じる。
「だっ…だって…///」
混乱する私を悠さんは楽しそうに見ている。
悠「ごめん、ごめん。びっくりさせちゃったか。じゃあ、次は予告してするね?」
ん?次ーー?
意味がわからず悠さんを見ると悠さんは真剣な顔で私を見返す。