第1章 はじまりーそしてとまどい。
【悠side】
トイレから花音が戻ってきたが、沙織たちに連れられ俺から遠い席に座っている。
沙織たちと過ごす分は問題ないけど、賢吾まで横にくっついてるのは腹が立つ。
あいつ酔っ払ってるんだろーけど花音に距離近すぎ。
さりげなく肩とか触ってんのもむかつく。
あー・・・早く俺のものになっちまえよ。
手をつないだだけなのにあんなに真っ赤になるなんて、男に免疫なさすぎ。
あの分じゃつきやってる奴とかもいなそうだけど・・・。
でもいたらどうする?無理やりでも奪うか?
花音に出会う前の自分じゃ考えられない。
こんなに誰かを欲しいと思うのは初めてだろう。
つか、早くこっち戻ってこいよ。
俺はじっと花音を見つめる。
すると俺の視線に気づいたのか花音がこっちを向き、顔を赤らめる。
なんつー顔してんだ・・・
俺以外がいるとこでそんな顔すんなよな。
ー――あとで覚えてろよ?