第1章 はじまりーそしてとまどい。
【悠side】
賢吾「悠ー!」
賢吾が焦った様子で駆け寄ってくる。
カウンターを挟んで向かい側で掃除をしていた沙織もその様子を見ていた。
悠「何なの?」
賢吾「このあと大丈夫だろ?花音ちゃんの歓迎会やろーぜ!!」
賢吾は乱れた息を整えるととびきりの笑顔を向けて話した。
俺は花音の、という言葉にピクリと反応した。
悠「ん。わかった。行くよ。」
俺の言葉に賢吾は両手をあげて喜び、また来たほうへと戻っていった。
沙織「何あれ。行っちゃったよ。あ、私も行くからよろしくねー。でさー…」
相変わらず賢吾は忙しない…
まぁ見てて楽しいからいいけど。
沙織の話を聞きながら俺は別のことを考えていた。
ーーさて、
これはチャンス到来ってやつだよな。
バイト中何かとあいつが目を反らしてばかりだったのが気にくわなかった俺は問いただすタイミングを探していた。
絶対素直に言わせてやる。
ついでに
もっと…
俺のこと意識してもらいましょう。